『HUNTER×HUNTER』
名作中の名作ですね。
漫画家を目指していたにもかかわらず、実はちゃんと見たことがありませんでした。
「いつか見なきゃな」と思いながら、ずっと見ないまま時が流れ……はや10年
そして最近、ようやく覚悟を決めてアニメ全148話を見ました。
……いや、正確に言うと、高校生の頃に友達から漫画を借りて読んだことはあります。
ただ、僕は「オークション編」あたりで読むのをやめてしまいました。
これには、ちょっと恥ずかしい理由があり、当時、僕は漫画を描き始めたばかりでした。
そこで『HUNTER×HUNTER』を読んで、
「吹き出しにこんなに文字を入れるの!?」
と思ったんです。
「こんなに絵も適当なのに……」
「俺の方が上手く描けるだろう、とか…」
今思えばとんでもなく失礼なことを考えていました。無知って怖いですね。
たぶん、認めたくなかったんでしょうね。
「漫画はこう描くもの」という自分なりの固定観念があって、それを軽々と無視して面白い漫画を描いている冨樫先生を、素直に認められなかったんだと思います。
……今思うと、めちゃくちゃ恥ずかしくてこのブログ書くのやめようか悩むぐらい、、、
漫画の描き方には、ある程度「良い」とされているセオリーがあります。
例えば、
・吹き出しの文字は短くする。
・コマを詰め込みすぎない。
・Zになるように視線誘導を心がける
もちろん、こうしたセオリーには意味があります。漫画家を目指すなら基礎は普通にやった方がいいです。そこからのアレンジです。
でも、『HUNTER×HUNTER』は、そういったセオリーを無視して適当に描いてるように見える部分があるのに、とんでもなく面白い。
とんでもなくです。
そして、名作になっている。
こりゃすごい。今回アニメで見たのは、単純に「そのほうが見やすそうだったから」です。
そんな軽い気持ちで見始めました。
実際に見てみた感想

圧倒的でした。
話の継ぎ目がないというか、流れるように物語が進んでいく。
「無駄が無駄じゃない」というか。気づいたら、一気に物語を駆け抜けていました。
一番面白かったのはキメラアント編
やっぱり一番印象に残ったのは、キメラアント編です。
「こういう感じで終わるんだろうな」と思っていた展開を、見事に裏切られました。
少年漫画では、あまり見ないような展開。
「冨樫先生って、こんな展開を作るの!?」と思わされました。
「幽☆遊☆白書」も必須の履修科目になりそうです。
これ以上言うとネタバレになってしまうので、ここでは詳しく書きません。
ただ、本当にすごかったです。
◆一番印象に残ったキャラクター
キャラクターなら、圧倒的にキルアです。
最初に登場したときから、見終わるまでずっと楽しませてくれるキャラクターでした。
そして後で詳しく書きますが、
「キャラクターでストーリーを動かす」
というのは、こういうことなのかと思いました。
『HUNTER×HUNTER』の何がすごいのか
ここからは、漫画家を目指していた経験も踏まえて、僕なりに「なぜこんなに面白いのか」を考えてみます。(素人意見ですが)
◆話の作り方
漫画や物語には、ある程度「面白くなりやすい型」があります。さすがに脚本の作り方とか話の作り方は当時かなり読み漁りました。
例えば、そのうちの1つだと
目標がある
↓
それを阻むハードルがある
↓
「無理なんじゃないか」と思う
↓
そのハードルを乗り越える
↓
目標達成
という流れ。
『HUNTER×HUNTER』で言えば、「父親に会う」というゴンの目標があり、その途中に念を覚えたり、グリードアイランドをクリアしたりと、さまざまなハードルがあります。
もちろん、型通りに作ったからといって面白い話になるわけではありません。
でも『HUNTER×HUNTER』は、そうした「物語の型」があるはずなのに、それを感じさせないんですよね。特にキメラアント編は、その型を少し崩しながらも、最後までしっかりと物語としてまとまっている。「どうやったらこんな話を思いつくんだ?」と本気で思いました。
しかも、一見すると「これってストーリーに必要なの?」と思うような出来事やキャラクターが、後から重要な意味を持っていたりする。軍儀とか本当に…遊び心…oh
無駄に見えるものまで、実は無駄じゃない。
そこが本当にすごいと思いました。
◆キャラクター
「漫画はキャラクターが命です。」
漫画を描いていると、編集者からもよく聞く言葉です。
耳にタコができるくらい聞きましたし、漫画のノウハウ本にもよく書かれています。
『HUNTER×HUNTER』は、それを見事に体現している作品だと思いました。
120点満点のキャラクター作り。
怖いです。
特に印象に残ったのが、イカルゴ。
キメラアント編に出てくる、タコみたいなイカみたいなキャラクターです。
見た目だけ見ると、かなり適当なキャラクターに見えるんですよね。
もちろん、褒めています。でも、そんなキャラクターにもちゃんと信条があって、自分の過去と向き合い、未来を考え、行動を起こす。
「なんて深いキャラクターなんだ……」と思いました。
こんな見た目じゃもったいないだろ、と思ったくらいです(笑)。
そして何よりすごいのが、主人公以外のキャラクターがメインになっても面白いこと。
クラピカ、キルア、レオリオなど、それぞれが中心になってもちゃんと物語が成立する。
それぞれの個性がキャラクターとして生きていてその個性によってストーリーが動いてく。
アルカの話も「あの時のキルア」でないとダメだったはずです。
「主人公が活躍するから面白い」というだけではない。
これも『HUNTER×HUNTER』のすごさだと思います。
編集者の方から聞いた話ですが、やっぱり主人公が活躍する回はアンケートでも上位に行きやすいそうです。だからこそ、主人公以外のキャラクターが目立つ回でも面白い『HUNTER×HUNTER』は、改めてすごいと思いました。
◆ストーリー・展開
物語の流れが、とにかく自然なんですよね。
当たり前のように感じるかもしれませんが、これってものすごく難しいことだと思います。
ハンター試験からゾルディック家。
天空闘技場からヨークシン。
グリードアイランドからキメラアント編。
それぞれの話が独立しているようで、実はしっかりとつながっている。
特に「つなぎ目」がすごい。次の展開が、前の展開をしっかり受け継いでいる。「ここからこの話につながるのか!」と納得感がありました。グリードアイランドからキメラアント編に進む流れも、見終わってみるとすごく納得できました。
ドラゴンボールのような、超名名名作でも、フリーザ編からセル編は「未来から来た」という前の展開をそこまで引き継かず、突拍子もない展開もあります。
それでもドラゴンボールは、誰がなんと言おうと最強の作品ですけどね(笑)
◆セリフ選び
これはもう、天才です。
心に残ったり、耳に残ったりするセリフは、いろいろな作品にあります。
『ハイキュー!!』や『呪術廻戦』も、セリフが上手いなと思います。
でも、『HUNTER×HUNTER』には、自然とネットミームになってしまうような、使い勝手のいいセリフが多い。
「クセになってんだ、音殺して動くの」
「おそろしく速い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね」
など、一度聞いたら忘れられない。
しかも、狙って作っているように見えないのがすごい。
こういう言葉を自然に生み出せるのは、本当に才能なのか…計算してやってるのか。
後者だったら天才超えて神ですね。

漫画家を目指していた自分が感じたこと
漫画家を目指していたので、やっぱり見ながら、
「なんでこんなに面白いんだ?」
と考えてしまうんですよね。
でも、正直よく分かりませんでした。
面白いものは、面白い。
結局そこに行き着きます。
キャラクターも、ストーリーも、展開も、世界観も、ちゃんと納得感がある。
まるで本当にその世界が存在しているかのように感じる。
「じゃあ、これを真似すれば面白い漫画が描けるのか?」
と言われたら、たぶん無理です。
できるんだったら、誰でも漫画家になれてしまいます。
漫画を描くって、そんなに甘くない。
僕自身、漫画家を目指してきたからこそ、それを身をもって感じています。
だからこそ、今になって『HUNTER×HUNTER』を見て、「やっぱり漫画ってすごいな」と思いました。
まとめ
すごい作品でした。
高校生の頃に一度読むのをやめてしまった自分に、「なんでもっと早くちゃんと読まなかったんだ」と言いたいです(笑)。
今回はアニメで一気に148話見ましたが、もっと早く見ておけばよかったと思いました。
友達がジャンプで追っているかなりの『HUNTER×HUNTER』オタクなので、いろいろ解説してもらい、今はクラピカの話が中心になっているということで、こちらもかなり気になっています。
漫画家になることは諦めましたが、漫画を描いてきた経験があるからこそ、これからもいろいろな漫画や作品を、自分なりの視点で楽しんでいきたいと思います。
そして、その経験がこれから漫画家を目指す人たちに、少しでも何かを届けられたらと思っています。ここまで読んでくれた漫画家志望の方へ。とりあえずHUNTER×HUNTER、見ましょう


コメント